イヌノコト。

現役トリマーが犬のことをあれこれ考えるブログです。

中国の犬ブームとその問題点

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中国のペット産業が、今急激に成長していることをご存知ですか?

空前の犬ブームにより多発している問題についてのお話です。

犬の大ブーム

最近よく中国の犬ブームがニュースなどで取り上げられています。これは、ひとりっこ政策が背景にあるのではと言われています。

兄弟のいない子供に、犬をプレゼントするパターンが多いそうです。

日本でも「犬は家族」と言われていますし、子供が犬と一緒に生活することで免疫力が向上したり、心の成長にもとても良い影響を与えることなどを考えると、私はそれ自体には問題がないと思います。

多くの人が犬と暮らす喜びを知ってもらえるのは、トリマーとしても嬉しいです。

ブームの中心は若者、富裕層がほとんどなのだそうですが、それだけで「犬をアクセサリーだと思っている!」との意見も見かけましたが、何故勝手に決めつけるのでしょうか?

私はトリマーとして仕事をしていて、最近特に感じることは「若い飼い主様の方が圧倒的に犬を飼う意識が高い」ということです。

もちろんそうでない場合もたくさんありますが、時代の変化とともに犬との生活への見方が変わってきてきているのだと思います。

また、日本の企業もこぞって中国へ進出しているそうです。大きなチャンスですもんね。

問題の多い中国の犬ブーム

 しかし、やはり問題も多いようです。

ノーリード散歩、咬傷事件

先日ニュースで映像をみましたが、本当に酷いものでした。

大きなシェパードと黒い犬(私にはロットワイラーに見えました)が、老人と小さな子供を襲ってる映像でした。

犬が遊びたくてちょっかいを出してしまったのかな?程度に思って見始めましたが、遊びでやっている程度ではなく本当に「襲っている」という感じで、老人は必死で孫を守っているようでしたが、ずるずると引きずられていました・・・。

大の犬好きトリマーでも、あの状況になれば多分犬が一生触れなくなります。

もう1つ紹介されていた映像では、小型犬が小さい子供を追い掛け回していました。

こちらもノーリードで、子供を守ろうとお母さんが応戦したところ、犬の飼い主に逆上され馬乗りになって殴られてしまっていました。

信じられないようなお話ですが、こうした咬傷事故が多発しているそうです。

狂犬病予防注射未接種

日本では近年発症のない狂犬病ですが、中国ではまだまだ存在します。狂犬病は発症するとほぼ100%死亡する、とても恐ろしい病気です。

狂犬病予防接種を怠ったせいで、傷口を舐められた子供が死亡したそうです。

学生の頃、狂犬病の勉強のために見たDVDを思い出しました(一般の方は見られません)。クラスのほぼ全員が泣きながら見ていたくらい、狂犬病の症状は恐ろしく、その時見た感染者の男の子の目が、今でも忘れられません。

あんな風にとても辛い思いをしながら亡くなったのだと思うと、涙が出ました。

カラーリング

赤や黄色に着色された犬が大人気だそうです。普通の犬と比べるととても高く売れるそうで、中にはトラ柄やパンダ柄の子までいました。

逆にカラーリングの技術も高すぎてびっくりしました・・・。 

本物の犬なのかぬいぐるみなのか判別できない程のにカラフルに染められた犬を、満面の笑みで抱えるおじさんに恐怖を覚えましたね・・・。

インターネット販売

犬をネットで販売しています。

そして驚いたのがその発送方法。緩衝材(プチプチ)を体にぐるぐる巻きにされたパグや、段ボール箱から顔だけ出したハスキーなど、嘘か本当か分からないような物でした。

私はあれはネタなんじゃないかと思っているのですが、どうでしょう?もしも本当だとしたら恐ろしいですね。

犬泥棒

平然と犬を連れ去ります。リードのような物を持っていて、さっと犬の首にかけて捕獲していました。

そして何よりおどろいたのが、犬の「ひったくり」。2人乗りのバイクで犬を散歩中の女性からひったくります。そんなことをしてまで犬を盗もうと思うのは何なんでしょうか。理解できない映像でした。。。

では、日本のペット事情は?

ノーリード・咬傷事件

ノーリードに関しては田舎の方ではまだまだ普通にあるのではないでしょうか?野犬ではなく飼い犬の「自主散歩」。

そして時々ニュースになりますね、咬傷事件。土佐犬に咬まれて亡くなった方もいらっしゃいました。

狂犬病予防注射未接種

日本では狂犬病の予防注射は飼い主の義務になっています。接種しなければ法律違反です。

しかし、実際に接種している犬は登録犬の70%程だそうです。登録もしていない犬を合わせるともっと低いのではないかと思います。

日本では1958年以降狂犬病の発症例はありません。そのため、狂犬病に対する意識が低下しているのだと思います。

カラーリング

数年前に日本でも流行りました。足の先だけを染色する「フレンチフット」と呼ばれるカラーリング方法など、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

現在でもカラーリングを売りにしているサロンもあり、うちのサロンにもお問合せをいただいたこともあります(私は技術がないのでやっていません)。

「ブラックアンドクリーム(黒とクリーム色)のチワワをブラックアンドタン(黒と濃い茶色)にカラーリングして欲しい」と某人気女優さんにお願いされたこともありました。

程度の差はありますが、日本でも実際にはカラーリングは普通に行われています。何故かピンクや緑など奇抜な色だと、虐待と言われていることが多いです・・・。

ここではカラーリングの是非はひとまず置いておきます。

インターネット販売

こちらは日本でもつい最近、2013年までは普通に行われていました。ネットオークションで犬を飼い空輸で受け取るというパターンが多くありましたが、動物愛護法の改正により対面販売が義務付けられ、今はそのような買い方はできなくなりました。

さすがにプチプチで梱包して空輸したりすることはなかったと思いますが・・・。

今大事に大事に飼われている犬が、オークションで買った子という方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

犬泥棒

日本でもあります。シェパードばかりを狙った犬泥棒がいた、というお話を聞いたことがあります。このお話の真偽は分かりませんが、犬泥棒は確実にいます。

庭先の犬を誘拐したり、スーパーの前に繋がれた犬を平然と連れ去るという信じられないようなことをする人がいます。

とても悲しいことですが、実際に起こっていることです。

まとめ:中国の犬ブーム、他人事ではありません

なかなか犬のことでニュースに取り上げられることがないため、知らない方も多くいますが、実際には日本でも中国と同じ問題が起きています。

ペット先進国(ドイツ・スウェーデン・イギリスなど)に比べると、まだまだ日本は犬にとって住みやすい国とは言えません。

動物愛護法の改正のための運動も行われていますが、なかなか前に進まないのが現状です。しかし生体販売、殺処分、虐待など、近い未来に改善されるかもしれません。

そして法律の改正を待つだけでなく、ペット業界、動物業界全体でもっともっと考えていかなければならないと思います。

中国のお話ばかりが話題になってしまっていますが、まずは国内をもう一度よく見てみませんか。飼い主ひとりひとりが意識を持つだけで変わります。

犬達が安心して住める国を、犬好きみんなで作っていきましょう。