イヌノコト。

現役トリマーが犬のことをあれこれ考えるブログです。

狂犬病予防注射のこと

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もうすぐ4月、狂犬病予防注射の季節ですね。お知らせのお手紙が届いた方も多いのではないでしょうか。

今日は狂犬病予防注射のお話です。

狂犬病予防注射の接種率

狂犬病予防注射、しっかりと毎年接種していますか?

狂犬病予防注射の接種率は全国平均で約70%です。これは、各自治体に届け出をして登録している犬のうちの70%なので、未登録の犬は含まれていません。

推定飼育頭数(登録犬、未登録犬を合わせた数)では、約47%の犬しか犬しか接種していないのではないかと言われています。

日本で暮らす半分の犬が狂犬病の予防注射を接種していません。

平成5年の時点は99%の犬が接種していたそうですが、なぜこんなにも低下してしまったのでしょう。

「過去の病気」のイメージが強い

日本では50年以上狂犬病の発症はありません。

「昔はそんな怖い病気があったらしいよ」といった感覚の方が多い印象です。

しかし実際、狂犬病が根絶された国は日本を含めた11か国しかありません。まだまだ狂犬病で命を落とす危険性のある国はたくさんあります。

室内犬だから大丈夫

うちの子は外に出さないから、という理由で接種をしない方もいらっしゃいます。

副作用の危険性がある

ワクチンには、少なからず副作用があります。

嘔吐、顔が腫れるなどの症状が出たり、最悪の場合命を落とす可能性もあります。

最近ではサロンにいらっしゃるお客様にも副作用の心配をされる方も多く、相談を受けることがあります。

可愛い愛犬のことを考えいろいろ調べた結果、不安になってしまうのだと思います。

ネット上には情報があふれていて、狂犬病予防注射についても様々な意見があります。

狂犬病とは

 では、狂犬病とはどういった病気なのでしょうか。

「狂犬」とは言いますが、犬だけに感染する病気ではありません。人を含む全ての哺乳動物が感染する可能性があります。

発症するとほぼ100%死亡する、恐ろしい病気です。

感染した動物に咬まれたり、傷口を舐められたりすることで感染します。

初期症状は発熱や頭痛などの風邪のような症状が現れますが、進行すると錯乱状態・攻撃的になるといった症状があるため、人や他の動物に襲い掛かることがあります。そして咬まれた動物がまた他の動物を襲い・・・と感染が拡大していく病気です。

ゾンビ映画みたいなお話ですが、近隣のロシア、中国などにもまだこの病気があります。何かの拍子に日本に入ってきてしまったら・・・。

最終的には昏睡状態から呼吸が停止して、発症から10日ほどで死亡します。

その間、不安状態・知覚障害・脳炎症状が起こるため、かなり苦しむ病気です。

狂犬病予防法

日本には、狂犬病の予防および発生時の処置についての法律があります。

登録

犬を飼い始めてから30日以内に市区町村に登録の申請をしなければなりません。

登録自体はとても簡単なものなので、まだ登録が済んでいない方は早めの登録をおすすめします。ちなみに30日を過ぎてしまっていても問題なく受け付けてくれるので安心してください。

また愛犬が亡くなった時や、登録情報(住所や電話番号など)に変更があった場合は速やかに届けましょう。

狂犬病予防注射

狂犬病予防注射を毎年1回受けなければいけません。

登録をしている犬であればお知らせの手紙が届きますので、忘れずに接種できます。

自治体によって、公園での集合注射を行っているところや、実施期間の決まっているところもありますので確認してみてください。

接種をすると「注射済み票(犬鑑札)」が交付され、首輪に付けておくことも義務になっています。

狂犬病予防注射を打たないと・・・?

法律違反になりますので、20万円以下の罰金があります。狂犬病予防注射の未接種で罰金を払った人を見たことはありませんが・・・。

また、未接種の犬は拘留される可能性があります!

罰金よりもこちらの方が一大事ですね。お知らせが届いたら忘れずに接種しましょう。

3年に1度の接種でも良い、の噂

アメリカは未だに狂犬病のある国ですが、ワクチンに3年間効力があるとされているため、予防注射は3年に1度の接種です。ワクチンには副作用があるので、予防注射が義務ではない国もたくさんあります。

犬用ワクチンの副作用の発生率は1%。これは、人間用ワクチンの100倍にあたるそうです。

しかし100頭に1頭が死亡するのではなく、嘔吐や顔の腫れといった軽度の副作用も含まれた数字になります。

動物病院勤務時代、毎年たくさんの犬がワクチンを打っているのを見ていましたが、重篤な副作用の出た子は見たことがありません。

この確率が高いと感じるか低いと感じるかは人それぞれだと思いますが・・・。

この、アメリカの「3年に1度」という情報だけが多く広まり、狂犬病予防注射の接種をしない飼い主が増えてしまっているのです。

しかし、日本では1年に1度の接種が義務付けられています。打たなければ法律違反になります。獣医師の判断で3年に1度にすることはできませんので気を付けてください。

また、最近では混合ワクチンの接種を3年に1度で推奨する動物病院も増えてきました。「混合ワクチン」のお話ですので、「狂犬病ワクチン」と混同しないようにしましょう。

狂犬病予防注射は飼い主の義務です

将来的には日本でも、3年に1度の接種になる可能性もあります。

しかし、今はまだ毎年必ず接種しましょう。

狂犬病予防注射を接種することは、自分の犬だけでなく、他の犬、人間、そして日本を守ることになります。

正しい知識と正しい判断が大切です。

また、持病や加齢などにより接種ができない犬については猶予することが可能です。獣医師の診断が必要になりますので相談してみてください。

狂犬病は意外と近くに存在します。

「うちの子は大丈夫」ではなく、しっかりと飼い主としての義務を果たしましょう。

トリミングサロンやペットホテルに愛犬を預ける際にも、証明書が必要になってきます。今一度確認しておいてください。