小型犬は要注意!犬の骨折

足を怪我した黒い犬の写真

愛犬の骨、普段から気にかけていますか?

今日は、実はとても多い犬の骨折についてのお話です。

犬の骨折

はじめに言っておくと、犬の骨折はかなり厄介です。

  • お金がかかる
  • 時間がかかる
  • 手がかかる

人のように、「ギプスをして安静に過ごしてね」という訳にはいかないのです。

犬の骨折、詳しく見ていきましょう。

好発犬種

  • トイプードル
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • イタリアングレイハウンド など

小さくて骨の細い犬種ばかりですね。超小型犬の骨は、割りばしよりも細いこともありますよ。

特に元気いっぱいのパピー期には、まだ骨が成長しきっていないということもあり、かなり骨折率が高いです。

また、骨密度が低下したシニア犬も注意が必要です。

原因

落下と飛び降り

圧倒的に多いのが「落下」・「飛び降り」です。

飼い主の腕の中で暴れてしまう子、多くありませんか?

うっかり腕をすり抜けて落ちてしまった・・・という経験がある方もいるのではないでしょうか。

硬い地面に落ちればもちろん骨折してしまいますし、打ちどころが悪ければ最悪死んでしまうこともありますので、気をつけましょう。

飛び降りに関しては、椅子やソファ、人の膝の上などから自分でジャンプした場合です。

私達から見れば大したことのない高さでも、小さな犬にとっては体高の2倍3倍の高さになります。

犬はあまり目の良くない動物ですので、高さが認識できずに飛んでしまうことがあります。人間が気を付けていてあげたいですね。

交通事故

お散歩中に交通事故にあい、骨折してしまうこともあります。

ノーリードでのお散歩はもちろん、狭い道や交通量の多い通りなどでは十分気を付けてください。

人の不注意による事故

うっかり愛犬を踏んでしまった…。

犬は飼い主の足が大好きです。じゃれついたり後を追ってみたり、足元をうろちょろ。

蹴とばしたり踏んずけたりしてしまうこと、結構あります。

尻尾や足先などの骨折に繋がりますので、いつも足元には気を配っていたいですね。

治療方法は?

大まかにわけると、

  • 手術
  • ギプス

この2つのどちらかになります。

骨折部位や程度によってはギプスで大丈夫な場合もありますが、大半はプレートを入れる手術をすることになるでしょう。

プレートを入れるなんて大げさな!と思われるかもしれません。

でも、犬に数か月の安静ができるでしょうか?…できないですよね。

動物は痛みに強いので、痛み止めを飲めばすぐに走り出します。ギプスでは対応できないことが多いので、大掛かりな手術が必要になってしまいます。

そのため、小さな「町のお医者さん」では手術が出来ないことが多く、そういった場合は大学病院や二次診療の病院へ紹介してもらうことになります。

手術は1回で終わりではありません。

  1. プレートを入れる
  2. プレートを留めてあるボルトを数本抜く
  3. 全てのボルト、プレートを抜く

と、3回する場合が多いようですが、経過によっては回数が増えたり、逆に減ったりすることもあります。

先生によってはプレートは抜かずに入れておいたままにすることもありますので、手術の回数は1回~3回ほどだと思います。

尻尾の付け根など動きが多く保定もできないような部位の骨折は、最悪切断になってしまうことも。

骨折かな?と思ったら

すぐに病院へ

骨折すると、とにかく痛がります。聞いたこともないような声で鳴き、足を上げたり震えたり…。

まずはすぐに病院へ。犬を動かさないようキャリーに入れ、静かに運びましょう。

スリングやソフトキャリーではなく、安定感のあるハードキャリーが理想です。

すぐに用意できない場合は段ボールなどで代用し、不安定にならないようにしてあげてください。

病院では触診をして、レントゲンを撮ります。

骨折ではなく脱臼や打撲の可能性もありますので、レントゲンで確定させ、どこが折れているのかを調べます。

痛み止めを飲む

ギプスで固定する場合や、手術の日まで時間が空く場合は痛み止めを飲んで絶対安静です。

薬が効いてくると犬は動きたがるので、可哀そうですが小さなケージの中で過ごしてもらいます。

術後の過ごし方

手術が終わると歩けるようになりますが、まだまだ絶対安静です。

先生からOKが出るまではケージレスト(ケージの中で過ごすこと)を続けましょう。

この場合のケージは、立ち上がったり歩き回ったりできない本当に小さなケージのことなので、クレートで大丈夫です。

普段はクレートに入れて、食事と排泄の時だけ出してあげましょう。

ケージレストは数か月続きますので、愛犬のストレスケアもしていかなければいけません。

カートでお散歩したり、時々美味しいおやつをあげたり…でも、体重増加は再骨折の原因にもなりますのでカロリー計算はしっかりしてあげてくださいね。

食事もいつもと同じだけあげていると、運動量が減っている分太ってしまいますので要注意です。

術部を舐めてしまわないようにエリザベスカラーは必須です。

気にしてしまう子も多いですが、最近では軽くて柔らかい物も出ていますので、先生と相談してその子に合った物を使ってあげましょう。

また、ケージの中で排泄物を踏んだりして不潔にならないように気を配る必要があります。

基本的には抜糸が済めばシャンプーが出来ますが、全身を洗うのではなく汚れた部分を軽く洗う程度にしてくださいね。

投薬

安静と並行して、傷口のケアも大事になります。

化膿してしまわないよう抗生剤を飲ませます。

体質によってはお腹が緩くなったりすることがあるので、そういった場合はすぐに先生に相談してください。

検診

定期的にレントゲンを撮って、経過を観察します。

犬によって骨が再生していくスピードも違いますので、次の手術までの期間はそれぞれですが、だいたい3か月から半年ほどかかります。

経過を見ながら少しずつケージから出す時間を増やし、ゆっくりとお散歩に出たりできるようになります。

治療費

1番気になるのがここですよね。

実際に私は愛犬が骨折したことがありますが、1回の手術にだいたい30万円ほどかかり、定期健診や薬代なども合わせ、完治するまでには総額で100万円以上かかったと思います。

本当にお金がかかります。

骨折のリスクや体調を崩すのことの多いパピー期だけでも、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。

 

予防のために

飛び下り注意

まずはなんといっても飛び降りさせないこと。

「飛び降りさせない」ということは「飛び乗らせない」ということでもあります。

椅子やソファに飛び乗ることが習慣化してしまわないよう、登れない工夫をしっかりしましょう。

具体的には、椅子は出しっぱなしにしない、ソファには近づけないようにゲートを付けるなどです。

私は椅子やソファなど高さのある物は撤去してしまいましたが、そうもいかないご家庭が多いと思いますので、別の方法でも対策はしっかりとしましょう。

最後まで手を離さない

人が抱っこしていて、床に下ろそうとした時、犬は足が地面に付く前に飛び出します。

うまく着地できずに怪我をすることがあるので、犬の足が床に着いたことを確認してから手を離すようにしてください。

このパターンでの骨折は本当に多いので気を付けてくださいね。

床が滑らないようにする

床が滑って犬に良いことは1つもありません。

骨折だけでなく脱臼の原因にもなりますので、フローリングにはワックスをかけるか滑り止めのマットを敷きましょう。

肉球の保湿をするのも効果的なので、ぜひ試してみてください。

原材料のシンプルなリップクリームやワセリンでも代用できますが、専用のクリームがべたつかず使いやすいです。

踏んだり蹴ったりしないように気を付ける

料理をしていたり、犬に注意を払えない状況の時はケージに入れるなど、危険な状況はなるべく作らないようにします。

また、音もなく足元に駆け寄ってくるような子の場合は首輪に鈴をつけるという方もいます。

お散歩の時はヒールのない靴で、飼い主も愛犬も安全に歩きましょう。

犬同士の喧嘩に注意

犬同士の本気の喧嘩も気をつけなければいけません。

犬は噛む力が強いので、本気で噛めば相手の犬に怪我をさせてしまいます。

知らない犬に不用意に近づけない、相性をきちんと見極めるなど、犬同士のことであっても飼い主が間に入るようにしてくださいね。

係留したまま目を離さない

意外と多いのが係留中の事故。

リードが絡まりパニックを起こし、更に絡まってしまい骨折。

本当に危険なので、犬を繋いでお買い物するのはやめましょう。

体重管理

理想体重より重いと、当然肢への負担が増えます。

ちょっとした段差でも骨折してしまうことがありますので、体重管理はしっかりとして理想体重を維持するようにしましょう。

何キロで維持したら良いのか、動物病院で相談してみてください。

まとめ:何より予防が大切です

普段から、特に超小型犬の子は気をつけすぎなくらい気をつけましょう。

とにかく「飛ぶ」習慣をつけないように。

万が一の時のためにペット保険への加入も検討してみてください。

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