イヌノコト。

現役トリマーが犬のことをあれこれ考えるブログです。

犬の認知症

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近年増えている犬の「認知症」。

サロンのお客様の愛犬にも数頭いますし、意外と身近な病気なんですよ。

犬の高齢化

現在飼育されている犬の約1/4が10歳以上と言われています。

  • 高品質なフードの流通
  • 獣医学の発達
  • 飼い主の意識が向上

これらによって平均寿命がぐっと延びたと言われています。最近では15歳を超えるシニア犬も普通になってきました。

犬の飼育頭数は年々減少していますので、少子高齢化の状態です。そして高齢化とともに認知症の犬が増えています。

犬の場合は7歳からシニアと呼ばれるようになり、認知症の症状が出始めるのは13歳以上のハイシニアと呼ばれる年齢からが多いようです。

犬の認知症の症状

  • ぐるぐると歩き徘徊する
  • 単調な声で吠え続ける
  • ご飯を食べたことを忘れてしまう
  • 呼びかけなどに無反応になる
  • 夜鳴き
  • 斜頸が現れる
  • 痙攣、体が硬直する
  • トイレを失敗する

様々な症状があらわれますが、若い頃にはできていたことができなくなるなど、飼い主様も混乱してしまうことが多いです。

洋犬よりも日本犬系の犬に多く見られます。

日本で暮らす犬は、もともと魚中心の食生活をしていました。そのため、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸認知症予防に効果があります)を体内に留めておきづらい体質なのではないか、と言われています。

また、屋内飼育の犬よりも屋外飼育の犬の方が発症しやすいようです。

家の中で家族と多くスキンシップをとる屋内犬に比べ、屋外犬は刺激が少なく単調な生活になりやすいためです。

屋外飼育の日本犬は注意が必要ですね。

犬の認知症は予防できる?

1番は刺激のある生活が大切です。シニアになると家に引きこもり寝てばかりの生活になりがちになりますが、なるべく外に出たり、頭を使うゲームをしたりするのが効果的です。

歩くのが困難な場合は抱っこやカートで外に連れ出したり、コングなどの知育玩具を使用するなど工夫をしてあげましょう。

また、お散歩はなるべくコースを変えてワンパターンにならないようにしてあげるのが良いそうです。お花の匂いを嗅いだり、川に行ったり・・・様々な刺激を与えてあげてください。

食事に関しては、青魚に含まれる不飽和脂肪酸認知症の予防や症状緩和に効果があるとされているため、積極的に食べさせてあげましょう。抗酸化作用のある食物(野菜や果物など)も効果的です。

サプリメントもありますので、飲ませてあげたい場合は動物病院で相談してみてください。

犬の認知症の介護

徘徊

最も多く見られる徘徊の症状は、壁や障害物にぶつかる危険性がありますので、犬のいる部屋にはなるべく物を置かない、クッションなどで角をガードするといった工夫が必要です。

サークルに入れるということも選択肢に入れてください。それまでフリーで過ごしていた子には少し可哀そうに思えるかもしれませんが、怪我のリスクもあるため、見ていられない間だけでもサークルに入れて愛犬を守ってあげてくださいね。

小さな子であれば、ビニールプールに入れてあげるのがおすすめです。角がないのでぶつかっても安心です。

吠え続ける・夜鳴き

なるべく他のことにエネルギーを使ってもらい、吠える時間を短くしてもらいましょう。お散歩が好きな犬であれば長めにお散歩して眠る時間を増やしてあげます。

しかし、あまりお昼寝時間が長くなると夜鳴きの原因になってしまいますので、注意が必要です。昼間はなるべく太陽の光を当て、昼夜逆転しないように気を付けてあげてください。

場合によっては精神安定剤が処方されることもあります。

ご飯を食べたことを忘れてしまう

食べたことを忘れて何度も催促する場合は、食事回数を増やしてあげてください。

それまでの食事量のままだと太ってしまいますので、量は調節してあげて下さいね。

トイレの失敗

認知症だけでなく、シニアになるとトイレの失敗が増えることがあります。トイレまで我慢できなかったり、筋力の低下により歩くのが困難だったり・・・。

トイレをベッドのそばにおいてあげたり、トイレの数自体を増やしてあげるなどしてあげてください。

おむつで対応することも可能ですが、蒸れやかぶれに気を付けてくださいね。

まとめ:ひとりで悩まないでください

認知症になると、それまで普通にできていたことができなくなる場面が増えます。犬にもプライドがありますので、そんな時叱ったり責めたりしないであげてくださいね。本人も戸惑っています。

認知症は、本当に介護が大変な病気です。しかし、手がかかる分シニア犬は本当に本当に可愛いです。これまで以上に愛犬のことが愛おしく感じるでしょう。

介護で悩んだ時には、ひとりで抱え込まないでください。獣医師やトリマーなど、犬のプロに相談してみましょう。きっと一緒に良い方法を考えてくれます。

飼い主様が悲しそうにしていると愛犬にも伝わってしまいます。つらく感じることもあると思いますが、シニア犬と過ごす日々は将来きっと宝物になります。大切に過ごしてあげてください。

認知症は、早期の発見と適切な対応で進行を遅らせられる可能性があります。様子がおかしいと感じたら早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。