「生後何か月になったらトリミングしても良いの?」とってもよく聞かれる質問です。
今日はそんなファーストトリミングのお話です。
ファーストトリミングのタイミング
子犬ってすごく汚れます。おしっこやうんちの仕方が下手だったり、ごはんを食べ散らかしたり・・・。またプードルやヨーキーなど毛が伸びる犬種は、前が見えなくなったり口周りがガビガビになったり。
早くトリミングしたいけれど、いつになったらトリミングデビューできるのでしょう?
基本的には3回目の混合ワクチンが終わって1週間後以降になります。先生によっては2回のワクチンを推奨している場合もありますので、その場合は2回で大丈夫です。
体の大きさや発育状況などによってワクチンの接種時期は異なりますが、だいたい生後4~5か月頃までにはトリミングができるようになります。
狂犬病ワクチンは時期の関係もありすぐに打たないこともありますので、接種していなくても受け入れてもらえるサロンが多いです。
最後のワクチン接種後1週間安静に過ごして、問題がなければトリミングの予約をしましょう。
しかし、それまで我慢できないこともあると思います。
汚れてしまったり毛が伸び放題になってしまっている場合は、動物病院で部分的に洗ってもらったり、目の前だけカットしてもらいましょう。爪切りや足の裏のバリカンなどもやってもらった方が良いです。
シャンプーでなければワクチン接種が終わっていなくてもやってもらうことができますので、お願いしてみましょう。(サロンでは難しいことが多いです)
自宅で部分的にシャンプーする場合は時間をかけずにささっと洗い、根本までしっかりと乾かしてあげてくださいね。
自然乾燥は皮膚や被毛に悪いだけでなく、お腹を壊す原因にもなりますので、気を付けてください。
ファーストトリミングの注意点
ワクチン証明書を持参する
最後に接種した際の証明書を持参しましょう。
忘れてしまうと施術が受けられないことがあるので、お出かけ前に必ずチェックしてくださいね。
帰宅後にゆっくり過ごせる日を選ぶ
初めてのトリミングで子犬はとても疲れます。
終わった後に出かける予定があったり、飼い主様が不在になる日は避けましょう。
体調の変化にすぐに対応できるよう、その日のうちはそばで見ていてあげてください。
体調の良い日に
子犬は突然体調を崩したりします。
特に季節の変わり目などに下痢をしやすかったり、慣れないものを食べて吐いてしまったり。
少しでも体調に不安があれば、予約はキャンセルしましょう。
きちんと連絡をすれば当日キャンセルも大丈夫です。日を改めて予約し直してください。
無理せずできる範囲でと伝える
トリマーはお金を頂いているので、綺麗に仕上げてお返ししようとします。
しかし子犬のトリミングは、トラウマを作らないように、トリミングに苦手意識を持たせないように行うのが基本です。
トリマーもそれは理解していますが、お客様の理想に近づけなければという思いとで葛藤しながらトリミングしています。
一言「できる範囲で大丈夫です」と伝えてあげてください。子犬にかかる負担も減ります。
こんな風にオーダーするのがおすすめ
目指したいスタイルの写真を持参する
子犬の頃のふわふわとした柔らかい毛で、理想のカットをすることは不可能です。
しかし、将来目指したいスタイルを決めておくことがとても大切になります。
アフロを目指すのであれば耳の上の毛、パンツカットを目指すならお尻の毛など、ないと困る毛というのがあります。
何となくで短く切ってしまうと、あとあと理想のスタイルが完成するのに時間がかかります。
トップノットやフルコートを目指したい子はなおさら、1度のカットで取り返しのつかないことになりますので、どうしようか迷っているなら「とりあえず切らない」をおすすめします。
バリカンは使わない
これは私個人の意見ですが、子犬のうちはバリカンで短くしない方が絶対に良いと思っています。
はじめてのトリミングでわくわくしていたのに、帰って来たら「なにこれ・・・」。
そう感じるのは、それまでふわふわモコモコで可愛かった我が子が、カリカリになって帰って来るからなのです。
子犬はコロコロしているように見えて、実は毛がなくなるととても細く貧相な体になってしまいます。
また、子犬特有の軟毛が余計になんだかみすぼらしく見えるのです。
カットをする際ははさみで、なるべく雰囲気は変えないでくださいとオーダーするのが良いかと思います。
すっきりしてくださいと伝えると、想像以上にすっきりして帰ってくることになりますので・・・。
パピーのうちは、パピーにしかできないスタイルを楽しむ方が絶対に良いですよ。ふんわりとカットしてもらってください。
お尻周りは短めに
子犬はどうしてもお尻周りが汚れます。
自宅でもさっと洗えるよう、お尻だけは少し短めにオーダーすると良いです。
しかし、先ほど言ったようにパンツカットを目指すのであればお尻の毛は大事です。担当トリマーとしっかり相談してくださいね。
バランスとくびれ
子犬のカットは顔と体のバランスが悪くなりがちです。
体に対して顔が異様に小さい・・・という子犬をよく見かけますが、ちょっと残念です。
できるだけ顔は小さくしない方が可愛いのと、首が細くならないようにお願いすると良いですよ。
同じように、くびれも作らないでくださいと伝えるとより子犬らしくなります。
トリマーによってははっきりくびれを作る人もいますが、子犬の場合は寸胴な方が絶対に可愛いです。
子犬のカットは成犬と同じように切ると大失敗しますので、注意が必要です。
まとめ:ファーストトリミングは無理せずに
子犬らしくカットするということは、あまり作り込まずにナチュラルに仕上げるということになります。
そのため、重要な部分(目周りや足回りなど)のみしっかりと切ってもらって、あとは少し揃える程度で十分です。
結果的にトリミング時間も短く済み、子犬への負担も少なくなりますので、場合によってはシャンプーコースと部分カットでも十分だと思います。
とにかくトラウマを作らない、トリミングに嫌なイメージを持たせないことを最優先にしてもらってくださいね。
短くカットしてしまうのはいつでもできます。パピー期のふわふわ・モコモコ・もじゃもじゃスタイルを存分に楽しんでください。
生後1年頃には毛がしっかりしてきますので、それまでは理想のカットのベースづくりをしておきましょう。